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康生「五輪赤信号」準決勝で敗退/柔道

男子100キロ超級3位決定戦で敗れた井上康生(共同)
男子100キロ超級3位決定戦で敗れた井上康生(共同)

<柔道:フランス国際大会>◇最終日◇10日◇パリ・ベルシー総合体育館

 【パリ=松本愛香通信員】男子100キロ超級の井上康生(29=綜合警備保障)が北京五輪出場に自ら「赤信号」を出した。準決勝で、昨年の世界選手権で敗れた世界王者のテディ・リネール(18)に延長の末に再び黒星を喫した。返し技で敗退と同じ轍(てつ)を踏んでしまった。3位決定戦にも敗れてむせび泣き。北京五輪代表争いでさらに厳しい状況に追い込まれた。

 周囲にはばかることなく、むせび泣いた。18歳の世界王者リネールに「連敗」を喫した悔しさ、自分の情けなさ、支えてくれた家族の期待に応えられなかった無力感…。井上は「柔道家として、勝負師としても全くダメでした。北京五輪への道もかなり、いや、ほぼ厳しい現状になったと思います」とうなだれた。

 世界選手権と同様に、リネールの返し技で敗れ去った。延長戦の1分30秒すぎ。強引な背負い投げを見事に返されて効果を奪われた瞬間、勝負が決した。長身で手足が長い相手に奥襟を取られると、満足に技もかけられない状況も同じ。「自分の力を出せなかったというか、僕の柔道の現状なのかな、と強く感じている部分がある」と振り返った。

 100キロ超級転向して以来、常に課題とされる大型選手への対策も解消されていなかった。「練習でやっていた部分が試合に出ない」。初戦の2回戦こそ内またで1本勝ちしたが、3回戦のエイテル戦は延長の末に辛くも判定勝ち。準々決勝のファンデルへースト戦は大内刈りを返され、1度は相手に技ありが与えられた。協議の末、井上の1本勝ちに判定が覆ったが、終始苦戦を強いられた。

 「結果が出ないと(北京五輪は)厳しいことは分かっている」と強い覚悟で臨んだ大会で、1月中旬に結婚した亜希夫人が父明さんと観戦。好機に拍手、ピンチには顔を覆い全力で応援した。だが、家族に最高の結果を報告できず、井上は「周りの人たちは力になってくれたんですけど、結果を出せなかったことがやっぱり悔しいですね」と、涙を流した。

 昨年優勝したフランス国際で外国人への強さをアピールできなかった。3位決定戦でタングリエフ(ウズベキスタン)に腰砕けのように倒され、1本負けしたことで印象も悪い。棟田(警視庁)、石井(国士舘大)に後れを取っている代表選考レース。「状況を見れば赤信号に近い状態だと思う」。残るは4月の全日本選抜体重別選手権と全日本選手権で連勝が求められる。「柔道人生最後の大舞台」という北京五輪へ、絶体絶命の危機に立たされた。

[2008年2月11日9時37分 紙面から]

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