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“技巧派”白鵬のクロス攻撃/九州場所
<大相撲九州場所>◇9日目◇19日◇福岡国際センター
横綱白鵬(22=宮城野)が東前頭4枚目豊ノ島(24)を寄り倒しで下し、連敗を阻止した。先場所、初の金星を配給した小兵相手に、立ち合いで両腕をクロス。元横綱大鵬が得意とした技巧で差し手争いを制し、2敗を守った。大関千代大海(31)は関脇朝赤龍(26)を押し出し1敗をキープ。白鵬ほか大関琴光喜(31)と平幕の出島(33)若の里(31)把瑠都(23)の5人が1差で追う。
白鵬が「技」で機先を制した。両脇を締め、右腕の上に左腕をクロス、右足から強く踏み込んだ。右を差して前に出ると、最後は豊ノ島捨て身の首投げに体を預けた。「立ち合いがよかった。とにかく強く当たろうと思っていたから」。先場所はもろ差しを許し、中に潜られ、金星を配給した。反省を生かして差し手を封じ「ホッとした」と笑顔を見せた。
初めて見せた立ち合いを聞かれ「そうだった?」ととぼけた。実は対策十分だった。支度部屋では170センチの豊ノ島に一番似た、167センチの付け人春日龍を今場所初めて、ぶつかり相手に指名した。本番で見せた立ち合いを繰り返し、イメージを練った。
両腕をクロスしての踏み込みは、尊敬する元横綱大鵬の得意技だ。今場所は地方場所では初めて、家族を呼び寄せ生活をともにしている。部屋近くのウイークリーマンションに持ち込んだのが大量のDVD。中でも大鵬の現役時代がお気に入りだ。瞳に焼き付けた映像を実戦で披露。取組前、育ての親の熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)が「脇締めて、差して引き付ければ」と話していた、狙い通りだった。
前日8日目は小結安馬に苦杯を喫した。連敗を阻止し「負けて強くなるからね」と照れ笑い。この日、北の湖理事長(元横綱)は「優勝ラインは最低でも13勝2敗であってほしい」と要望するなど、もう、負けは許されない状況にある。「横綱は15日間が勝負だから」。12勝での優勝は、魁皇が優勝した03年名古屋場所までさかのぼる。朝青龍不在で、優勝ラインが下がるとは言わせない。【近間康隆】
[2007年11月20日9時0分 紙面から]
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