米大リーグ機構(MLB)は14日、日米間で合意に達していたポスティングシステム(入札制度)の新制度を取り下げて修正案を提出すると発表し、成立時期が大幅にずれ込む見通しとなった。日本球界には15日、長期化を懸念する声が広がり、米挑戦が注目されるプロ野球楽天の田中将大投手の動向に影響が出そうだ。

 旧制度は日本の球団が最高入札額を得ていたが、新制度は最高額と2番目の間に減額されるなど見直された。日本プロ野球選手会はメリットがないと反発し、2年間限定で受諾すると表明したが、米オーナー会議が行われたフロリダ州オーランドで会見したMLBのマンフレッド最高執行責任者(COO)は「日本の総意が出るのに時間がかかりすぎて、情勢は変わった」と説明した。

 日本野球機構(NPB)は18日の実行委員会で対応を協議する。修正案ではさらに日本側に不利な条件が提示される可能性があり、日本のある関係者は「年を越すだろう」と見ている。成立がずれ込めば今オフの大リーグ球団の補強は進み、田中が今オフに入札制度で移籍する場合にマイナス要素となる。

 NPBの選手関係委員会の四藤慶一郎委員長(阪神球団専務)は「2週間くらい遅れたからね。困ったことになった。また長引くな…」と困惑した。