覚せい剤所持容疑で警視庁に逮捕された元プロ野球選手清原和博容疑者（４８）が、２０１４年から群馬県で覚せい剤を購入していた疑いがあることが６日、分かった。同年には、今回とは別の捜査当局が逮捕寸前までマークしていたとされ、かつ薬物疑惑が報じられた。栃木県への不審な移動も確認されており、警戒を強めた同容疑者が地方での“遠征購入”を始めた可能性も浮上した。警視庁では覚せい剤を常用していたとみて調べを進めている。

　捜査関係者などによると、清原容疑者は１４年秋ごろから群馬県に行き、覚せい剤を密売人から直接購入していた疑いがあるという。逮捕前日の今月１日にも群馬県に行き、そこで覚せい剤を購入。都内に戻って高級ホテルに宿泊後、２日夜、都内自宅で現行犯逮捕されたとされる。

　これまでも、自ら車を運転し、群馬県だけでなく栃木県に行ったことも確認されており、その後は都内に戻って特定の高級ホテルに入るというパターンの不審な動きを繰り返していたという。警視庁は昨夏以降、都内自宅や同ホテル室内の遺留物から、覚せい剤の成分を５回前後検出していた。

　北関東のある場所には、暴力団関係者が実質的に仕切る覚せい剤の大型密売拠点があるとされるだけに、１年以上にわたって、同拠点に近い群馬や栃木まで“遠征”して入手、都内にとんぼ返りして使用していた疑いが強まった。密売人からの受け取り場所は、毎回変えていたとみられる。

　別の関係者によると、今回逮捕した班とは別の捜査チームが清原容疑者の薬物情報をつかみ、１３年ごろからマークを強めていた。証拠集めや行動確認を進め、１４年初めごろの段階では逮捕決行も視野に入れ、さらなる徹底捜査を進めていたという。だが、１４年３月、週刊文春が清原容疑者の薬物疑惑を大きく報じたことで、事態が変わった。

　「清原容疑者は、薬物疑惑報道の後、警戒をかなり強めた。そのため、この捜査チームも、捜査をいったんひいて、静観モードに切り替えざるをえなくなった。そうした状況の中、清原容疑者は、覚せい剤入手先を、目立ちにくい群馬県周辺に切り替えた可能性もある」（同関係者）。

　清原容疑者はこれまで、覚せい剤の所持と使用を認め、尿検査でも覚せい剤の陽性反応が出たが、入手先については「しゃべるつもりはない」とし、明かしていない。同容疑者を知る人は「清原容疑者は逮捕直前、彼の薬物情報を知る人や暴力団関係者らとトラブルになり、事実上脅されていたようだ。群馬などの北関東ルートはもともと密売関係者の間で極秘とされており、清原容疑者が入手先をペラペラ供述したら、近い将来釈放された場合など、自身に危険が及ぶ可能性が出てくる。だから、話したくても話せないのではないか」と指摘した。

　この日、１日に密売人とみられる人物が、清原容疑者とは別の車で都内から群馬県方面に向かったことも判明した。警視庁は引き続き、覚せい剤を使い始めた時期や詳しい入手経路を調べている。

＜清原容疑者のこれまで＞

　９９年　９６年に暴力団関係者と知りながら一緒にゴルフをしていたことが発覚。巨人から厳重注意処分

　０８年　現役引退

　１１年　営業イベントや講演会などのキャンセルを繰り返し、補償問題に発展

　１４年３月　週刊文春が清原の薬物疑惑を報道

　同９月　００年に結婚した亜希夫人と離婚

　１５年３月　母親の病気回復を願い、四国のお遍路参り

　同４月　ＴＢＳ系「中居正広の金曜日のスマたちへ」に出演、「自殺を考えた」と明かす

　同８月　フジテレビ系「ダウンタウンなう」に出演、司会のダウンタウン浜田から「クスリやってるの？」と聞かれ「風邪薬はやりましたけど」と否定

　同１１月　オフィシャルブログ開設

　１６年１月　福岡ヤフオク！ドームで開催された名球会イベントに登場

　同２月２日　覚せい剤所持容疑で逮捕