“ハマのアイドル”がミラクル逆転劇を飾った。DeNAエリアン・エレラ内野手(31)が8回2死から来日1号となる逆転満塁弾を放った。元アイドルでタレント菊地亜美(25)に顔が似ているとツイッター上で話題沸騰中の助っ人が、ド派手な1発を横浜の夜空に打ち上げた。最大4点差をひっくり返す逆転勝利でチームは9連戦を連勝スタート。2位を堅守し、首位広島とのゲーム差を1桁の9・5ゲーム差とした。

 大きな目がギョロッと飛び出た。押せ押せムードの8回2死満塁。エリアンが意気揚々と打席に入った。ヤクルト4番手ルーキの制球がばらつきフルカウント。全球直球勝負の5球目、ど真ん中150キロを強振した。大歓声をも切り裂く逆転満塁弾。来日1号をド派手に飾りヒーローに名乗り出た。

 「満塁だったから四球でもいいという気持ちだった。一番は同点にすること。自分でもホームランになるとは思わなかった。去年もメジャーで4月に打った1号が満塁弾だったんだ」

 2年連続通算3度目のグランドスラムは格別だった。異国の地でのプレー。ラミレス監督から成功するには「日本文化に慣れること」が大事だとアドバイスされた。愛嬌(あいきょう)あるキャラクターは、思わぬ形で日本文化と融合した。ファンの間でタレント菊地亜美に似ていると話題になり、菊地本人もツイッター上で反応。「ベイスターズのお兄ちゃん、今日の調子はどうかな? いつもTwitterでベイスターズファンの方が菊地今日調子良いね! とかリプくれるんだよ笑」とツイートしていた。

 直接面識がない菊地からのサプライズを歓迎。「アミ? ツイートしてくれたことはもちろん知っている。それから常にチェックしているよ」と照れくさそうに笑った。6月13日にステイシー夫人(31)と2人の子どもが来日。「家族と一緒にいるとリラックスできる。妻とはスイング、プレーの話もする。今日は守備のことを言われると思うよ」と、この日の2失策も“夫婦ミーティング”で明日への力となる。

 固定できなかった「2番」に助っ人がはまり、7月のチーム打率は2割9分4厘まで上昇。開幕当初から好調を維持する投手陣も健在でチーム防御率3・33でリーグトップを守っている。ラミレス監督は「投手陣がなんとか保ってくれている中で打者がこういう働きをして選手たちもいい感じで臨めている。打線も固まりつつある」と投打で手応えは十分。9・5ゲーム差で前を行く「神ってる広島」を追うのは、DeNAだ。【為田聡史】

 ◆エリアン・エレラ 1985年2月1日、ドミニカ共和国生まれ。06年にアマチュアFAでドジャースと契約し、12年にメジャー初昇格。13年オフにブルワーズ移籍。今季は古巣ド軍の傘下3Aでプレーした。メジャー通算223試合で打率2割5分3厘、8本塁打、55打点。二塁、三塁、遊撃に加え、外野も守れる。初出場は6月1日西武戦。180センチ、93キロ。右投げ両打ち。今季推定年俸8000万円。

 ▼エリアンが1号逆転満塁本塁打。来日初本塁打が満塁本塁打の外国人は、14年ハフマン(ロッテ)以来22人目。セ・リーグでは04年マーチン(ヤクルト)以来12年ぶり6人目、DeNAでは78年5月23日ミヤーン以来38年ぶり2人目だ。エリアンはスコア4-5からの1発で、セで逆転Vアーチとなったのは前記マーチンに次いで2本目。