ロッテ唐川は8回を終え106球だった。ベンチで落合投手コーチと目が合った。何か言われる前に、自分から「行きます」と伝えた。「直訴ってほど、大したことじゃない。行けそうだったんで」と控えめに明かしたが、それだけ自信があった。9回は3者凡退で、楽天打線を計122球、6安打無失点。11年6月28日の日本ハム戦以来となる完封で5勝目を挙げた。

 完封は5年ぶりだが、4年ぶりの祭典に刺激を受けている。空いた時間は、テレビでリオ五輪を観戦。競泳、体操、柔道と日本のメダルラッシュを見て「自分の舞台で活躍するのは格好良い。僕もプロである以上、お客さんに見せないといけない。その準備、努力をしたい」と気を引き締めている。伊東監督からは「唐川に尽きる」と最上級の褒め言葉をもらった。それでも「次が大事です」と、やはり気は抜かなかった。【古川真弥】