阪神が三塁を本職とする新助っ人候補として、エリック・キャンベル内野手(29=メッツ)に獲得オファーを出したことが18日、分かった。有力候補としていた元楽天ケーシー・マギー内野手(34=タイガース)との交渉を断念。来季12年ぶりのV奪回を成し遂げるため、補強ポイントに合致する助っ人を粘り強く選定していく。

 補強ポイントはあくまで強打の右打ち三塁手。虎は諦めない。新たな有力候補の1人はキャンベルだ。

 今季はメジャー40試合で打率1割7分3厘、1本塁打に終わったが、3Aでは83試合出場で打率3割1厘、7本塁打。マイナーではコンスタントに3割をクリアしており、広角に打ち分けられるシュアな打撃に魅力がある。

 四藤球団社長は新助っ人取りについては「まだです」と話すにとどめたが、すでにキャンベルに獲得オファーを出したことが判明した。

 球団は粘り強く、金本阪神2年目に必要なピースを探してきた。ロブ・セゲディン内野手(27=ドジャース)との交渉が難航すると、元楽天のマギーを有力候補としてリストアップ。今度はマギーとの交渉を断念する形となったが、あくまで三塁を守れる右打者にこだわってキャンベルに白羽の矢を立てた。

 キャンベルは三塁、一塁を本職とするだけでなく、メジャー3年間で左翼、右翼、二塁、遊撃も経験。ユーティリティーな守備力も頼もしい。15年にはニューヨーク屈指のスター選手である三塁手ライトの代役も務め、重圧慣れしている点も「買い」といえる。

 助っ人補強はいよいよ佳境に入っている。すでに来季の守護神候補としてローマン・メンデス投手(26=レッドソックス傘下3A)と契約合意。3年間主軸を張ったゴメスとの契約を解除し、不退転の決意で三塁手取りを模索してきた。

 ある球団首脳は以前から「長打力は補強の大きなポイントになる」と話してきた。今後はキャンベルを有力候補に、来季のキーマンとしてふさわしい助っ人かどうかの選定を進めていくことになる。12年ぶりのV奪回へ、キャンプの練習メニュー同様、助っ人補強にも妥協はない。

 ◆エリック・キャンベル 1987年4月9日、米コネティカット州生まれ。ノーウィッチ・フリー・アカデミー高からボストン大を経て、08年ドラフト8巡目でメッツと契約。14年にメジャーデビューし、以後3年間で196試合、97安打、7本塁打、44打点、打率2割2分1厘。3Aでは13年から4年連続で3割を超え、15年には33試合ながら3割6分3厘の高打率をマークした。191センチ、98キロ。右投げ右打ち。