4日にハードオフエコスタジアム(新潟市)で行われた野球教室に参加した広島今井啓介投手(29=中越出)は、プロ12年目の来季を勝負の年と位置付けた。

 「来季は本当に勝負の年」。今井は淡々とした口調に決意をにじませた。4日の野球教室を終えた直後から個人トレーナーを相手に自主トレを開始するなど、寸暇を惜しまない。

 今季は屈辱の1年だった。09年から続いていた1軍登板が途切れた。来季は28%ダウンの年俸1000万円(推定)で契約更改。「(契約は)更改してもらえないかも、と思ったこともあった。チャンスをもらった。懸けなければならない」と覚悟を決めた。

 手応えはある。夏場からフォーム改造に取り組んだ。頭の横から出ていた肘の位置を下げた。「もともと僕は真上から投げる感じだった。少し下げて他の人と同じくらいかな」。腕の振りを意識することでツーシーム、スライダーに切れが出てきた。「フォームが固まってきた実感がある」。来季はそれを数字につなげる。

 13年、中継ぎで33試合に登板したのがここまでのキャリアハイ。「来年はそれを上回る試合数で投げること」と、具体的な数字で目標を掲げる。「先発、中継ぎ、抑え、どこでもいい。与えられた仕事を全力でやるだけ」。不退転の決意で復活を期す。

 ◆今井啓介(いまい・けいすけ)1987年(昭62)5月24日生まれ、長岡市(旧栃尾市)出身。刈谷田中から中越に進学。高校3年夏は県大会準優勝。05年の高校生ドラフト2巡目指名で広島に入団。09年7月18日のヤクルト戦でプロ初登板、同9月18日の阪神戦で初勝利。今季は2軍で32試合登板して1勝1敗、防御率3・19。183センチ、89キロ。右投げ右打ち。背番号62。