さすがのひと言だった。巨人坂本勇人内野手(28)がWBC終了後、初めてオープン戦に3番遊撃で出場。1回2死の第1打席で、ロッテ唐川からいきなり右前打を決めて場内を沸かせた。

 3打数1安打で7回でベンチに退いたが、第3打席にも左翼フェンス手前にライナー性の左飛を放つなど鋭いスイングを披露。「すんなり入れて良かった。内容もボールの見え方も良かったです」と笑顔を見せた。

 WBCでの経験を生かす。チームのためにと積極的に発言するアストロズ青木のキャプテンシーに「いいお手本。勉強になった」と感銘を受けた。坂本勇は巨人の主将を託されて今季が3年目になる。「今までの感覚ではない感じで声を出していた。選手の中でも青木さんだけは思う意見を言っていた。僕も出していければ」と、新たな主将像を出していくつもりだ。

 チームに戻ってきた坂本勇の存在感に、高橋監督も「主力としてグラウンドの真ん中にいるとね」と目を細めた。チームはオープン戦最下位に沈んだが、前回最下位だった08年は公式戦で優勝している。世界との戦いをへてたくましさを増した主将を中心に、31日の中日との開幕戦(東京ドーム)から日本一奪還に挑む。