未来の「ヤクルトの星」がプロ初勝利をつかんだ。ヤクルトのドラフト2位右腕・星知弥投手(23)がDeNA9回戦で5回3失点と粘投。大量援護にも恵まれ、先発2試合目で初白星を挙げた。チームでは新人で唯一の開幕1軍入りを果たし、中継ぎで結果を残して先発転向。最速156キロの期待の素材がチームの連敗を4で止めた。

 「試練の道」を歩みきった。初めてのお立ち台。星は胸を張って答えた。「小さい子どもたちも見に来てくれているので、夢を与えられるようなピッチングをしたいと思います」。つかんだ初勝利の味をかみしめ、少しだけ表情が緩んだ。

 立ち上がりから予想外だった。1回、味方打線が打ちまくり、登板前に打順が回ってきた。バスターで一、二塁間を破る安打を放つも「キャッチボールとか準備が足りなかった」と投球に影響が出た。急いでヘルメットを脱ぎ、マウンドに上がる。しかし、先頭打者に安打を許すと制球が定まらない。2四球などもからみ、いきなり2失点。「1人1人、1イニングずつ抑える」と目の前のアウトを重ね、初回をしのいだ。