復活の1歩は地下から-。腰痛から復活を目指す巨人高橋由伸外野手(33)が12日、ハワイへの優勝旅行を辞退して来季にかける意向を明かした。この日、岐阜市で開催された岐阜ベースボールフォーラムに出席し、「V旅行期間中は施設が整った東京ドームでリハビリに集中します」と口元を引き締めた。

 16日からチームメートがハワイへ出発するが、常夏の島でバカンスの同僚をよそに、高橋由は日の当たらない東京ドームのスタンド下にある施設で筋力トレするとともに、地下通路でランニングなど孤独トレを続ける。すべては来季を万全な状態で迎えるためだ。来年1月の沖縄自主トレで本格的にバットを振り始める青写真を描いている。この日は元慶大監督で岐阜県野球協議会理事長の後藤寿彦氏が進行役を務める中、中日井端、西武佐藤友らと「モチベーション」をテーマに話をしたが「今はチームのことより自分のこと」と、リハビリに向けて気持ちを集中させた。

 今季はシーズン中、2軍で再調整を余儀なくされ、日本シリーズは出場選手登録を辞退するなど悔しさが募った。「来季は全試合に出たいと思っている。そのためには体だけでも技術だけでもダメ」と高い水準への復帰を目指す。だからこそ今は地下に静かに潜伏。ここでの我慢を必ず来季の“光”に変える。【竹内智信】