ソフトバンク巽真悟投手(23)が、開幕ローテーション入りアピールに大成功した。18日、今季初の対外試合となった韓国KIAとの練習試合に2番手として登板。3イニングを投げ無安打1四球無失点と、ほぼ完ぺきな投球を見せた。この日は、先発5番手争いでしのぎを削る大場翔太投手(24)と岩崎翔投手(20)も3イニングずつ登板。“ドラ1トリオ”のガチンコ勝負で結果を出し、首脳陣の評価も高めた2年目右腕が大きなリードを奪った。

 巽が2年目の成長を、思う存分見せつけた。この日唯一の走者を出した2イニング目の5回。無死から四球で出した走者を一塁に置き、打席には起亜の4番崔煕渉(チェ・ヒソプ)。初の韓国人メジャー野手として、メジャー通算40本塁打を放った左の強打者だ。内角スライダーで1ストライクを取ると、巽が投じた球は外寄りへのチェンジアップ。狙い通りにひっかけさせ二ゴロの併殺にきった。

 巽

 今日はかなりテンポがよかった。余計なことを考えないように、あえて(投球の)テンポを早くした。左打者へのチェンジアップが有効だった。

 3イニングを無安打に抑えた右腕は、自信に満ちた表情で新球に手応えを感じた。チェンジアップは昨秋から習得を目指してきた。エース杉内の決め球を参考に、真ん中を狙い思い切って腕を振ることだけを考えている。「真っすぐを狙ってる打者には使えると思う」と、今季の新たな武器に笑顔を見せた。

 同じく昨秋からは習得を目指すシュートも試投。「完全なシュートというより、打者に打ちにきてもらいたいのでカットボールの逆のイメージ」。ツーシームの握りで、打者の手元でわずかに変化させ打ち取る狙いがある。この日は右打者に対して3球投じ、すべてボール。直後のスライダーで空振りを取るなど効果的ではあったが「もっと精度を高めていかないといけない」。開幕までの課題もしっかりと挙げた。

 2つの新球の習得に見られるように、昨秋から目の色が変わった。昨季の悔しさがあるからこそ。即戦力として期待された昨季の1軍登板は1イニングだけだった。高山投手コーチも「ダイナミックになった。結果は申し分ない」と、右腕の成長に目を細めた。次回はライバル2人と同じく23、24日に行われる2軍練習試合に登板予定。すぐ手の届くところまできた開幕ローテ切符を、逃すわけにはいかない。

 [2010年2月19日11時25分

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