昨年の覇者がどん底から出発だ。オリックスは16日、ほっともっと神戸で野手17人全員参加の緊急練習を行った。今日17日の阪神戦で交流戦が開幕。借金9でリーグ最下位とあって、岡田彰布監督(53)も「相手がどことかと言う前に自分のところや」と前年覇者として抱負を語るどころでなかった。チーム打率、防御率は12球団ワーストと非常事態だ。

 函館で日本ハムに2連敗したチームは15日午後11時過ぎに関西空港に到着。多くの選手が16日午前1時ごろに帰宅、睡眠もそこそこに同10時半から開始した。「弱いチームは練習しないといけない」と高代ヘッドコーチ。投手も指名の5人以外に救援陣5人も自主参加と、緊張感があふれた。

 岡田監督は下降気配のT-岡田を人目についてしまうフリー打撃で珍しく個別指導。調子が出ないと見ると打撃を“強制終了”させ、ミラールームで正田打撃コーチとフォーム確認させた。昨季交流戦MVPの4番打者にもなりふり構わない愛のムチ。チーム浮沈の鍵を握る主砲に復活を促した。1年前の関西ダービーは岡田監督が古巣に3勝1敗と快勝し、優勝へ突っ走った。しかし今回、岡田オリックスは立ち位置を挑戦者に変え、浮上のきっかけをつかみにいく。【押谷謙爾】