3試合ぶりの復帰へスタンバイOKだ。阪神金本知憲外野手(43)は、甲子園での全体練習で外野ノックを再開。12日の西武戦で右足甲に自打球を当てて痛めて以来、5日ぶりにボールを追いかけた。

 金本のスパイクはたっぷりと濡れていた。ユニホームの両すそには泥が跳ね、ひざ裏近くまで水玉模様がついていた。前夜の雨を含んだ甲子園の芝生を、激しく走り回った証しだ。

 「見たら分かるやろ。切り返しもしっかりできていた」。ノッカーの山脇外野守備走塁コーチが安心したように言った。

 左翼の守備位置で12本、ノックを受けた。自身の要望通り、難度の高い後方への飛球が次々と舞ったが、軽快に下がってすべてグラブにおさめた。前日にはダッシュも解禁しており、「故障者」の姿はもうない。足の心配は無用だ。

 思わぬ危機だった。12日の西武戦(西武ドーム)。第2打席で右足甲に自打球を当てた。次打者席に戻って一呼吸を置くほどの痛み。その後2打席立ったが我慢は限界だった。腫れ上がった足を引きずり、14、15日の日本ハム戦は欠場した。右肩棘(きょく)上筋断裂の重傷と闘う鉄人が新たな試練に見舞われた。重傷でなかったのが救いだった。

 フリー打撃では鋭いライナー性の打球を連発。「先発で戻れる状態に戻ったか」と聞かれた真弓監督は「うん、状態はね」と応答。走・守に問題なし、とも認めた。株主総会では株主の1人から守備について厳しい意見も飛んだ。故障、批判と続いた逆風を吹き飛ばすには、結果を出すしかない。【柏原誠】