被災地仙台で豪華リレーが実現する。マツダオールスターゲームの「最後の1人」を選ぶ、プラスワン投票の結果が13日発表され、パ・リーグから日本ハム斎藤佑樹投手(23)、セ・リーグから巨人沢村拓一投手(23)が選出された。パを指揮するソフトバンク秋山監督は、斎藤の24日第3戦(Kスタ宮城)での登板を明言。同戦での先発が確実な楽天田中将大投手(22)との夢の競演で、震災からの復興を後押しする。

 最高の舞台でファンが見たかったのは、やっぱり佑ちゃんだった。

 斎藤

 小さいころから憧れがありました。1年目にオールスターという素晴らしい舞台に立てることには感謝していますし、うれしい気持ちでいっぱいです。いろいろ多くのことを学べたらいいなと思います。

 開幕ローテ入りして2連勝で滑り出しながら、左脇腹痛で離脱するなど苦しんでもいる。2勝2敗、防御率3・72と成績も不本意なもの。斎藤本人も「(選出は)驚きがありました。ケガをしていたっていうのもありますし…。複雑?

 そういう気持ちはありました」と、一瞬表情は曇った。

 だが、プラスワン投票のテーマは「プレーで日本に夢や希望を与えられる選手」。多くのファンが、斎藤こそがふさわしいと票を投じたということ。「出てほしいと思ってくれる方がいたのも事実だと思う。歴史もあるし、恥じないプレーをしたい」。夢舞台での全力投球で、復調のきっかけにもするつもりだ。

 極上プランも用意された。全パを指揮する秋山監督はこの日、楽天戦で訪れているKスタ宮城で「ここで投げる。順番は決めています」と、第3戦での登板を明言。地元で先発が確実な田中との継投をほのめかした。06年夏の選手権決勝で全国のファンを熱くさせた2人が、再び同じマウンドに立つことになれば、スタンドの熱狂は必至。公式戦での直接対決こそおあずけ中だが、一足先にチームメートとして“共闘”することになる。

 斎藤も「どこで投げても(選んでくれた)ファンの方への気持ちは変わらないけど、被災された方も見に来るということは考えます。(同世代は)先にプロに入って活躍していますから、大学から入った選手としても早く追いつきたい。こういう舞台で勉強になると思う」と話した。ファンにとっても、斎藤にとっても、かけがえのないひととき。

 あの熱い夏が、復興を目指す東北・仙台でよみがえる。【本間翼】