逆襲は、早期借金返済から!

 広島野村謙二郎監督(44)が24日、後半戦の巻き返しに向け抱負を語った。前半戦は主力にけが人が出るなど苦しんだが、借金「6」で折り返した。あす26日ヤクルト戦(神宮)から始まる後半戦は、新外国人の加入やけが人の復帰、エース前田健の復調など好材料がそろう。まずは借金を完済して上位進出を目指す。

 指揮官の頭の中には、逆襲への青写真が明確に描かれているようだ。迷いなく、後半戦の目標を掲げた。

 野村監督

 とにかく勝っていくしかない。勝ち星とか他チームとの差とかではなく、置かれた立場を考えて、まずプラスマイナスゼロにしよう、と選手にも伝えました。その結果、少しでも順位が上がり、ファンのみなさんの期待に応えられればいい。

 経験値の浅い若い選手が多いチームだけに、ゲーム差や勝率などを見て戦えば苦しくなる。それよりも目の前の試合、目の前にプレーに集中することで勝利を積み重ねていく。そして早い時期に現在6つある借金をゼロにできれば、球団史上初のクライマックスシリーズ進出の可能性がグッと高まるというわけだ。

 逆襲のための材料もそろいつつある。

 <1>新戦力の加入

 新外国人のブライアン・バーデン内野手(30)がこの日、来日した。実戦からは3週間程度遠ざかっており、プレーぶりも確認する必要があることから、即1軍合流はなさそうだが、打線のカンフル剤として期待は高い。

 <2>故障者の復帰

 大竹や梵ら主力が故障で戦列を離れているが、右大腿(だいたい)二頭筋損傷で2軍調整中の広瀬が、順調なら8月初旬には復帰できそう。また、前半戦最終盤に足の張りでスタメン落ちし東出も後半戦開幕から先発に復帰できる。

 <3>前田健の復調

 今季は開幕直後からいまひとつ調子の出なかったエース前田健だが、14日横浜、20日阪神と2試合続けて勝ち投手になり復調気配。オールスターでも存在感を見せた守護神サファテはもちろん、中継ぎ陣も12試合連続無失点の岸本ら好調を保っており、エース復調は大きなプラスになる。

 指揮官は「後半戦にもモチベーションを高く持ってやれる。そういう位置にいる」と言った。5位ながら2位阪神、中日と2ゲーム差。借金完済も、Aクラスも、くっきりとその目に映っている。【高垣誠】