<横浜1-3広島>◇4日◇横浜

 真夏はコイの季節!?

 広島が2位に浮上した。主砲栗原健太内野手(29)が、連夜の活躍だ。1-1同点の4回に決勝の6号ソロを放った。前日3日の2発に続き、2試合連続のV弾でチームは今季2度目の5連勝。阪神が敗れたため、8月以降では、96年以来15年ぶりとなる2位に引き上げた。

 初球だった。横浜の左腕リーチの投じたチェンジアップを見逃さなかった。高く舞い上がった打球は、広島ファンが待つ左翼席に飛び込んだ。今季初の2戦連発は09年9月30日、10月2日以来となる、2試合連続のV弾。「最高です。うれしいです。最初から思い切っていきました。手応えは完璧でした」と笑顔で振り返った。

 長打が出ずに苦しんだのがうそのように、後半戦は9戦4発。その手に残る感触が、しっかりとした手応えとなっている。「これまでは甘い球を打ち損じてきましたけど、それをしっかり仕留められるようになった。自分の打撃がようやくできてきた感じですね。幅が広がるというか、懐が広いと内角球も打てますし」とうなずいた。

 今季は新外国人トレーシーが加入したこともあり、開幕は5番だった。6月初旬にトレーシーが故障離脱し、新井がFA移籍で阪神に移った08年から任されている「定位置」の4番に復帰した。2軍時代は金本の勝負強さに目を見張り、新井とはともにプレーして4番の存在感の大きさを肌で知った。

 決勝アーチが多いことを問われると「4番を打ち始めてから、自分が決めないとと思ってやっていますから」と言い切った。3割5分を超える高い得点圏打率を維持し、打点もリーグトップのスレッジ(横浜)に3差の47打点と、ジワジワ上昇してきた。

 チームは5割まであと1勝。「順位は気にせず、チームの雰囲気もいいし、この勢いに乗っていきたい」と宣言した。【高垣誠】