<ロッテ4-1日本ハム>◇16日◇QVCマリン

 日本ハムが首位追撃へ痛い1敗を喫した。先発ブライアン・ウルフ(31)が初回に3安打でいきなり3失点するなど、5回6安打4失点で降板。これでロッテ戦3連敗と相性の悪さを露呈した。打線も成瀬に散発5安打に抑えられ、スケールズの本塁打による1点にとどまった。ソフトバンクが勝ったため、ゲーム差は再び3・5に開いた。

 敵がピンク色を基調にした復刻ユニホームに“衣替え”していても、“中身”は一緒。悪い相性そのままに、日本ハムが蒸し暑い敵地で完敗した。貯金22のチームにあって、ロッテ戦は4勝8敗1分けで借金が4つ。梨田昌孝監督(58)は「なんでやろうね。いろんなことが重なっている。点が取れないということ。相手より点が少ないのは間違いないから」。野球は点取りゲーム。簡潔に振り返り、積み重なる黒星を受け止めた。

 勝敗の分岐点は、開始早々にあった。3者凡退で攻撃を終えた直後の1回の守備。先発のウルフは、警戒していた伊志嶺、岡田の1、2番を出塁させると、2死満塁までこぎつけながら、福浦に走者一掃の適時二塁打を浴びた。指揮官は「初回の3点は重い」。残り8イニングあるとはいえ、開始直後の3失点は足かせになる。確実に走者を送り、1点1点を積み重ねていく攻撃の特徴が奪われ、相手の成瀬にも、余裕を与えてしまう。

 ウルフはロッテ戦3連敗。防御率5・79と飛び抜けて悪く、4度の対戦でチームに1度も勝利をもたらしていない。「今日に関しては球が真ん中に集まってしまった。打線の流れというより、1回1回を0に抑えていく意識で、次回やっていきたい」。ちょうど2週間後、同じ火曜、水曜、木曜日(30日~9月1日)に再びロッテと激突する。次回を見据えてリベンジを誓ったウルフだが、首脳陣は相性を考慮しての、ローテ再編も検討している。

 梨田監督の脳裏には、きっちりと刻まれている。「去年も最初、1勝7敗1分けだったか…」。記憶力はさすが。昨季も5月まで、ロッテ戦は「鬼門」だった。外野スタンドを見渡せば「TOPPO」「コアラのマーチ」の広告看板。甘いお菓子が思い浮かぶロッテだが、日本ハムにとっては、苦々しい相手である。【本間翼】