それでも4番は新井!

 不振を極めている主砲に、和田打撃コーチが苦しさを乗り越えろと猛ゲキを飛ばした。今日30日から鬼門ナゴヤドームに乗り込み、同率2位の中日と対戦。特に新井貴浩内野手(34)は対中日戦が打率1割6分9厘と奮起が求められる。虎の主砲が試練を乗り越えなければ、3・5ゲーム差で前を行く首位ヤクルト追撃は加速しない。

 残り45試合。逆転V奪回へ、虎のキーマンはやはり4番新井だ。前日28日ヤクルト戦では、3度の得点圏で凡退。主砲の打席を見つめた虎党は、ため息をつくしかなかった。打率は下降線をたどり、2割6分に。だが落ち込んでいる暇はない。和田打撃コーチは悩める主砲にハッパをかけた。

 和田コーチ

 監督が決めることだけど、個人的には乗り越えてほしい。軸のところだからね。今かなり苦しいと思う。(打順を)下げてもそこにチャンスがいくと思うし。何とか勝ててるうちにもう1回立て直してもらってね。

 歯ぎしりしたくなる展開が続いているが、同コーチは打順変更の可能性を否定した。新井は26日ヤクルト戦の3回に左前適時打を放ち“得点圏連続凡退記録”を10打席目でストップしたが、28日は3度凡退。再び不名誉な記録を作り始めている。チャンスで打席が回るのは4番の宿命。だからこそ主砲の奮起が求められる。

 和田コーチ

 とくに最近楽な打席がほとんどない。勝負を左右する得点圏の場面が多い。それが4番だし。もちろん新井も俺が(4番を)やりたいという気持ちでいてくれてると思う。

 前日の試合後は、疲労感たっぷりで帰路についた新井だが、この日はスッキリとした表情で名古屋へ移動。短い言葉に固い決意をにじませた。

 新井

 しっかり準備して初戦を取る。

 今日30日から敵地に乗り込み同率2位の中日3連戦。今季の新井は、ナゴヤドーム9試合で打率1割5分8厘でわずか1打点と相性がよくないが、この鬼門を突破せずには逆転Vは見えてこない。首位ヤクルトに3・5ゲーム差と再接近している。ツバメ追撃へ、4番新井が息を吹き返すしかない。【岡本亜貴子】