<楽天2-1日本ハム>◇11日◇Kスタ宮城

 日本ハム・ダルビッシュ有投手(25)が守り抜いた1点は、ベテラン主砲の一振りで消えた。1-0で踏ん張り、2番手の増井に託した8回。2死から右翼ポール際へと決勝2ランを運ばれた。惜敗で白星を逃したエースは「自分の仕事はできたので良かったんですが…」と誰も責めず、現実を受け止めた。

 前日10日、佑ちゃんとマー君の激闘で沸いたマウンドへと立った。ナイターの6日ソフトバンク戦から、プロ入り初の中4日で先発。この日は午後1時開始のデーゲームで事実上「中3日半」。7回を4安打無失点で7三振を奪い、自身シーズン最多を1個更新する223三振に到達した。

 心を痛めた東日本大震災からちょうど半年、そして東北高時代の3年間を過ごした仙台。自己最多17勝目を挙げるには格好の舞台だったが、シナリオは崩れた。チームも3カード連続負け越しとなった。

 今回の中4日登板は、今後のソフトバンクとの直接対決をにらんでのもの。今後、中5日に戻せば17日、29日と敵地で先発が可能となる。バックネット裏にレイズなどメジャー6球団以上が集結。底知れぬ力はアピールしたが、2年ぶりリーグ制覇へ、最大の正念場が到来。冷たくなってきた秋風の向きと熱を変えたい。【高山通史】