逆転優勝のため、チーム打撃に徹する。日本ハム中田翔内野手(22)が決死のつなぎ役宣言だ。「上位でも下位でも得点が取れる打線にしたい。自分はチャンスメークだったり、次につなげることを考えたい」。チームでただ1人、全試合に出場し80打点。残り30試合で大台の100打点突破も見えてきたが「いけたらいいけど、今のチーム状況でそんなことは考えていない。勝ちだけにこだわる」。個人成績は二の次と割り切っている。

 チームは3カード連続で負け越し、首位ソフトバンクとは7ゲーム離され苦しい状況だ。中田も責任を痛感している。前カードの楽天3連戦から58試合連続で務めた4番から6番に下がった。「監督さんが決めたことがベストだと思っている。出してもらえるだけ、ありがたい」。だから、休日もムダにはしない。12日は2軍施設のある千葉・鎌ケ谷の室内練習場でマシン打撃、さらにグラウンド脇の坂道でダッシュを敢行。2軍戦が行われる中、静かに自分の出来ることに集中した。「ちょっとだけですけど、体を動かすことはリフレッシュにもなる」。汗がしたたり落ちる中、落ち着いた表情で話した。

 2年ぶりのV奪回へ向け、今日13日ロッテ戦から始まる9連戦は正念場だ。舞台は東京ドーム。打者有利といわれる、本塁打の期待も膨らむ球場だ。「それは勝手に期待してください」。中田は、どんな形でも勝利に貢献してみせる。【木下大輔】