阪神下柳剛投手(43)が、今季限りで退団することが21日、分かった。球団はすでに来季の編成会議を行っており、ベテラン左腕は来季のチーム構想から外れた。残り29試合で昇格する可能性は極めて低い状況。本人は現役を続行する意欲があり、新天地を探す見込み。明日23日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(鳴尾浜)がタテジマを着た最後の雄姿になる可能性が高くなった。

 下柳は、03年に日本ハムから阪神にトレード移籍。投手陣の軸として活躍して03年と05年のリーグ優勝に貢献した。05年には15勝を挙げて、初タイトルとなる最多勝も獲得している。

 しかし08年11月に右膝手術を受け、パフォーマンスが徐々に低下。09年は8勝、昨年は7勝と2桁勝利に届かなかった。今季は開幕ローテにこそ食い込んだが、6試合に先発して0勝2敗、防御率3・54。6月6日オリックス戦を最後にして2軍調整を続けていた。

 絶妙のコントロールと技巧を駆使して活躍してきたが、世代交代を余儀なくされることになった。阪神の次代を担う若手が切磋琢磨(せっさたくま)する鳴尾浜で、区切りのマウンドに上がる。

 ◆下柳剛(しもやなぎ・つよし)1968年(昭43)5月16日、長崎県生まれ。瓊浦(けいほ)高-八幡大(中退)-新日鉄君津。90年ドラフト4位でダイエー入団。96年日本ハムに移籍。03年から阪神。05年からは4年連続2桁勝利をマーク。184センチ、91キロ。左投げ左打ち。