<フェニックスリーグ:四国IL選抜0-1日本ハム>◇23日◇サンマリン宮崎

 最強布陣でクライマックスシリーズ(CS)を突破する。左足骨折で離脱していた日本ハム田中賢介内野手(30)が、29日から始まるCSファーストステージ(対西武、札幌ドーム)でスタメン復帰することが濃厚になった。23日、調整中のフェニックスリーグ四国IL選抜戦を梨田監督が初視察。「1番二塁」での復帰に合格点を与えた。シーズン終盤に故障を抱えていた稲葉、糸井も帰ってくる見込みで、日本一を目指すポストシーズンではベストメンバーが組めそうだ。

 「下克上」での日本一奪取へ、最高の青写真が描ける。左足距(きょ)骨骨折で6月から離脱していた田中が、CSファーストステージ西武戦のスタメンに名を連ねる可能性が高まった。復帰へ向けた調整を初めて視察した梨田監督は「29日にいけそう。構想というか、頭の中には1番二塁というのはある。故障をした時にはCSも無理だろうという状態で(可能性が)ゼロだったものが、もう70%くらいにはきている」と笑顔で話した。

 この日行われた四国IL選抜戦は2打数無安打に終わったものの、3回無死一塁の場面では、きっちり1球で送りバントを成功させるなど安定したプレーは健在。4度の守備機会もそつなくこなし、首脳陣を安心させた。本人の追い求める理想は高く「守備も打撃もまだまだ。満足できるものではないです。(状態は)停滞しています」と慎重に言葉を選んだが、梨田監督は「(田中は)責任感が強いし、『ベストには来ていない』と不安は言っていたけど、そんなに心配していない。まだ時間もあるし、29日にベストの状態に仕上げてほしい」と期待した。

 また、それぞれ右膝痛と右足小指骨折で、順位が確定した12日オリックス戦以降はほぼ欠場してきた稲葉と糸井も、そろってCSでスタメン復帰する方向。犠打やエンドランを絡めて得点を奪う「つなぎの打線」を真骨頂とするチームにとって、3人の復帰はこれ以上ないほど明るい材料だ。シーズン終盤10試合で19得点(平均1・9点)と貧打にあえいでいた攻撃陣に厚みが増し、短期決戦を勝ち上がる最強布陣が整う。【本間翼】