関東地区大学野球選手権は10月31日、横浜スタジアムで開幕。同27日のドラフト会議で日本ハムが交渉権を獲得した東海大(首都1位)菅野智之投手(22=東海大相模)が、指名後初戦で白鴎大(関甲新1位)を4安打10奪三振完封と今季一番の快投を見せた。

 日本ハム斎藤佑樹投手(23)がこの日、ドラフト1位指名された東海大・菅野に“ラブコール”を送った。「一緒にやりたい気持ちはあります」と、全日本大学選抜のチームメートとして戦った1学年下の後輩が入団してくれることを期待。ただ、菅野が大学最後のタイトル奪取に燃えていることを理解しており「まずは大学野球が残っているので、頑張ってほしい」とも付け加えた。

 ちょうど1年前、明治神宮大会決勝で対決。斎藤は胴上げ投手となり、菅野は5安打2失点完投も敗退。試合後、斎藤は「来年頑張れよ。ナイスピッチング」と菅野の肩をたたいて激励した。

 大学の垣根を越えて菅野の活躍を願ったのは、その実力を認めているからにほかならない。菅野が上回っている部分はと聞かれると「すべてですね。頭もいいし(年齢が)1つ下ですけど人柄もいい感じ」と、人間性にも一目置いている。一方で、日本ハムから指名されて間もない心情も察した。「本人の意思もあるだろうし、周りの意見もあるので、じっくり考えてほしい」と熟慮して決断することを勧めた。

 この日は、ミーティングやロッカー整理などで札幌ドームを訪れた。明日2日まで休養し、3日から千葉・鎌ケ谷の2軍施設で秋季練習に参加する。【木下大輔】