未来の4番候補の才能は本物や!

 美しい放物線が、快晴の安芸タイガース球場に12本もかかった。阪神中谷将大捕手(18)が8日のフリー打撃で快音を連発した。116スイングで左翼へ11本、右翼へ1本。今キャンプ最多の柵越えをマークした。

 中谷

 休み明けだったので、どんどん打っていけたらと思っていました。(柵越えは)そんなに意識してないです。

 今季、1軍初昇格打席初本塁打をマークした“小ブラゼル”森田が97スイングでノーアーチ。黒瀬も193スイングで0本だ。まだ18歳、中谷の持ち前のパンチ力はズバ抜けている。5日には和田新監督が就任後初となる本格的な指導を施していた。この日もティー打撃中に個人レッスン。身ぶり手ぶりで熱心にアドバイスを送った。

 中谷

 どうしても突っ込んでしまうので、軸を残して回れるようにということを言われました。

 可能性が無限大の18歳の吸収力は、まるでスポンジのよう。キャンプ初日から本格的に始めた内野守備は、最初はステップがうまく踏めずにぎこちなかった。「まだまだ全然」とはにかむが、3日目には様になっていた。5日のバント練習でも、福岡工大城東の先輩柴田にみっちり教えを請うた。一番の売りである打撃では、遠慮なくぶっ飛ばした。朝から晩までハードな練習をこなし「ついていくのに必死です」とポツリ。それでも猛烈アピールする若き大砲は、和田監督のハートをがっちりつかんで離さない。【岡本亜貴子】

 ◆中谷将大(なかたに・まさひろ)1993年(平5)1月5日、福岡・小郡市生まれ。福岡工大城東では1年夏から外野手としてベンチ入り、同秋から4番。2年秋から捕手に復帰。高校通算20本塁打。10年ドラフト3位で阪神入団。今季成績は2軍戦21試合で打率2割6分1厘、4打点。4月6日の育成試合・BCリーグ福井戦で初アーチ。184センチ、85キロ。右投げ右打ち。