阪神坂井信也オーナー(63=電鉄本社会長)が、和田豊新監督(49)が率いる新生チームに手応えをつかんだ。1泊2日の高知・安芸キャンプ視察を終えて19日、関西に戻った。前夜には和田監督らスタッフと会食し、ざっくばらんに意見交換。「(フロントと)近い感じがするなあ」と好印象を口にした。どこかに騒動を起こす球団もありますが、阪神は一枚岩でっせ!?

 いざこざとは無関係!?

 和田阪神は現場からフロントまで一枚岩で12年シーズンに向けて準備する。坂井オーナーが、早朝の高知空港で口を開いた。

 「野球の話に熱心やから。いろいろ聞きました。みんな野球が好きやね。戦術的なことや、こういう隊形(シフト)の練習をやっとくべきだとかね。(フロントとの距離が)近い感じがするなあ」

 前日18日にチーム宿舎で新首脳陣と会食を行った。現場からは山脇守備走塁総合コーチ、片岡打撃コーチ、藪投手コーチも参加。オーナーと新首脳陣の本格的な初顔合わせとなれば、硬い空気が流れても不思議ではない。しかし和田阪神に心配は無用だった。

 酒宴は約3時間にわたって続いた。坂井オーナーは、各担当コーチに若手の実力や将来性に関して質問したという。

 「藪さんは若手に期待して下さいと言っていたので、ホンマか、覚えておくでと言っておいたよ。地道なことを一生懸命取り組んでいる。監督はいろんな経験をしているし」

 1泊2日の安芸視察を終えて顔もほころんだ。和田監督にとっても意義深い時間となったようだ。

 「シーズン中からよく見られている方。そこまで、ご存じですかというくらい。特に若い選手で来年いきそうな選手はいるかと聞いておられた」

 阪神ひと筋27年の指揮官が驚くほど、坂井オーナーの情報量も膨大だった。オーナー主催の一致団結食事会で風通しはばっちり。内輪もめがクローズアップされている球界だが、猛虎にそんな心配はなさそうだ。【益田一弘】