和田阪神が初の秋季キャンプ、高知・安芸キャンプを21日、打ち上げた。

 上園啓史投手(27)が、ブルペンで打席に立つ和田豊監督(49)に投球練習を披露した。指揮官が打席で投手陣のボールを見極めることはこれまでもあったが、締めくくりに選ばれた。うなり声を上げながら、気迫の投球。ボールに力強さがもどり、ブルペンに乾いた音を響かせた。

 「最後に監督が立ってくれて良かったです」

 持てる力を出した。フォーク、チェンジアップ、シュートと持ち球を次々と披露。何球も同じ球種を続けることなく、実戦形式のピッチングだった。和田監督も、フォークとチェンジアップの落ち方の違いを捕手に聞くなど、慎重に見極めを行っていた。39球の「会話」の中で「よくなったね真っすぐ」「ナイスボール」と声をかけた。

 今季は5年目で初めて1軍登板なしに終わった。07年の新人王が再び輝きを取り戻す。