故郷のためにも現役で!

 阪神を戦力外になった下柳剛投手(43)が、現役続行に強い意欲を示した。13日、城島らと立ち上げた「長崎県人会」2度目の活動を行った。今後の目標に長崎県内の全13市で野球教室を行うことを掲げて「やれる限りどんな方法をとっても続けていきたい」とプレーヤー続行を表明した。

 43歳の情熱は、まだ消えていない。黙々と自主トレを続ける日々。来季の所属先は決まっていない。そんな状況でも現役へのモチベーションはある。故郷への恩返しが心の支えだ。下柳は「故郷で慈善活動を続けるためにも現役を続けるか」と質問されて、言った。

 下柳

 そうですね。やれる限り、どんな方法をとっても続けていきたい。

 昨年、城島ら同郷のプロ野球選手による「長崎県人会」を立ち上げて、活動を始めた。1年目は長崎、今年は佐世保で野球教室を開催した。「長崎で育って、お世話になってきたので。野球教室をやって、ちょっとでも(子どもと)ふれあえれば」。そして夢がある。長崎県内の13市すべてを野球教室で回ることだ。

 下柳

 ずっと長く続けていきたい。(これまで)長崎、佐世保だったので、また別の市を。長崎県の全部の市を回りたい。まだ立ち上げたばかりなので。

 長崎県は五島、壱岐、対馬など島も多く、子どもたちがプロ野球選手と触れ合える機会が少ない。だからこそ自分たちが、島に出向いて野球教室を行う考えだ。

 長崎県人会では東日本大震災の被災地へ、グラウンドの除染を目的とした募金活動も行った。「放射能は人災でしょ。野球をできない子もいる。少しでも力になれれば」と下柳。近年は海外や元西武工藤氏がとった浪人など、現役続行の選択肢は増えている。マウンドにもう1度立つ-。ベテラン左腕は故郷のためにもまだ引退するつもりはない。