阪神に選手、コーチ、フロントとして40年近く在籍した上田二朗球団本部付部長(64)の退団が28日、発表された。球団事務所で会見し「心残りはあっても、寂しさはありません。タイガースで40年間、長きに渡って育んでいただき感謝しています」とあいさつした。

 70年に東海大からドラフト1位で阪神に入団。アンダースローから繰り出す変化球を武器に73年に22勝を挙げるなど、南海での2年を含めプロ13年で92勝101敗3セーブ。中でも72年5月9日大洋戦で、1回無死一、三塁から登板し「救援完封勝利」を史上初めて達成したことが最も心に残っている。「人間やれば出来るんだ」という思いが、その後のプロ野球人生にいきたという。

 85年は2軍投手コーチで、03、05年はフロントで優勝を経験した。今後は未定だが「野球界のOBとして、後輩、子どもに伝えていきたい思いがある」と熱っぽく語った。