阪神の育成助っ人ロバート・ザラテ投手(24)が1軍沖縄キャンプに参加する方向であることが11日、分かった。育成外国人選手の沖縄行きとなれば、驚きの抜てきとなる。すでに球団サイドで検討されており、実現する可能性が高い。

 入団1年目の昨季はウエスタン・リーグでも11試合登板で0勝0敗、防御率3・00。ただ素材は抜群だ。左スリークオーターからの直球は最速153キロを誇り、右打者の内角球はカット気味に、外角球はシンカー気味に変化する。チェンジアップは揺れながら落ちる。魔球のようなムービングボールは魅力たっぷり。高い潜在能力がザラテの1軍キャンプ行きを後押しする。

 沖縄は左腕にとって、申し分ない環境だ。温暖なベネズエラの出身。昨オフは入団直後の10年11月、寒暖差から風邪をこじらせ、秋季練習を休んだことも。昨春は2軍キャンプスタートを切ったものの、まだ寒さの残る高知・安芸に対応しきれず、11年2月中旬に左腕を痛めて出遅れた。得意の南国なら、1軍首脳陣が真の実力をチェックできる。メリットは決して少なくない。

 現在は母国ベネズエラに戻り、現役メジャーリーガーも所属するウインターリーグに参加中。昨年11月上旬に帰国した際には「来年は最初から全力でプレーできるように、しっかり仕上げてくるよ」と、勝負の2年目に意気込んでいた。沖縄チケットが手に入れば、支配下登録への道が大きく開けてくる。

 1、2軍首脳陣の会議でGOサインが出れば、正式決定となる。南国の太陽から力をもらい、支配下登録から1軍デビューへ-。ジャパニーズドリームを成し遂げる。

 ◆ロバート・ザラテ

 1987年2月1日、ベネズエラ生まれ。05年にブルージェイズ入りしルーキーリーグでプレー。09年8月にBCリーグ群馬入り。直球の最速は153キロで“群馬のチャプマン”の異名を持った。スライダー、カット、シンカー、フォーク、チェンジアップ、シュートを操る。191センチ、92キロ。左投げ左打ち。