「雨男」に今年は天の恵み?

 阪神久保康友投手(31)が19日、沖縄・石垣島での自主トレを公開。ハードトレを続ける一方で休日には各種レジャーに挑戦し、悪天候なら即中止のパラグライダーで数十分の一の確率で「晴れ」を射止めた。セットアッパー転向も検討される右腕が充実のオフをへて、アゲアゲ状態でキャンプに入る。

 インストラクターとエンジン、そしてプロ野球選手を乗せたパラグライダーは、スカイブルーの海辺を優雅に飛び回った。正月から雨続きだった石垣島。小雨でも強風でも決行されないレアなレジャーだが、久保は晴天に恵まれた。

 「こんなところで運を使ってしまっていいのかなって。すごい確率でしたから」。年明けから約80人の予約が入っていたが、天のいたずらで実現できたのは久保が2組目だったという。

 チームでも屈指の「雨男」。昨年は登板日に何度も雨にたたられた。その影響もあり8勝8敗と不本意な1年。年の初めのラッキーは吉兆といえなくもない?

 さらにスキューバダイビングにも初挑戦した。

 遊んでいるばかりじゃない。今年はセットアッパー転向が検討されている。「何も言われていないから勝手に決めつけられない。今は能力を上げることだけ考える。それが勝つためのベストの方法なら」と自然体で待ち構えている。

 準備に抜かりはない。ロッテ渡辺俊らとの自主トレは鹿児島・種子島から初めて石垣島へ。6日から25日まで3勤か4勤、1日8時間の超ハード練習。専属トレーナーも目標のパワーアップに太鼓判を押す。この日は初のブルペン投球で捕手を座らせて34球を投げ、肩も仕上がり上々だ。

 レジャーには意外な効能もあった。「普段できない体験で人間の幅が広がるし、野球をより深く広く考えられるようになる」と野球につなげるところが「投げる哲学者」らしい。ダルがメジャー挑戦なら、こっちはレジャー挑戦。全身にさまざまな刺激を受けた久保が、先発でもリリーフでも期待に応えてみせる。【柏原誠】