中日山崎武司内野手(43)が20日、ブランコとの一塁競争勝利へ4大作戦を実行する考えを明かした。中部国際空港着の航空機で、福留孝介外野手(34=インディアンスFA)とともにハワイ自主トレから帰国。開幕スタメン奪取へ(1)ゴルフ封印(2)打撃解体(3)高木ノック志願(4)ベテラン待遇拒否を決意表明した。今年44歳、26年目の大ベテランが初心に帰って勝負に出る。

 日焼けした精悍(せいかん)な表情で、山崎が宣戦布告した。相手は一塁を争うトニ・ブランコ内野手(31)だ。「ケンカに勝てるようにね。まずは内なる競争に勝たないといけない。戦闘モード!」。福留と2週間行ったハワイ自主トレ。30キロのランニングとウオーキングを欠かさず、徹底的に下半身を鍛え直した。108キロから7キロの減量も成功。ライバルとの本当の勝負はこれからだ。開幕スタメン奪取へ4大作戦を明かした。

 (1)ゴルフ封印「キャンプ中は一切やらないし、今年のオフまでやらない。クラブは持たずにバットを持ちます」。昨年末からコンペに引っ張りダコ。だがハワイでのテレビ企画で実現した石川遼とのラウンドで打ち止めにし、沖縄ではグリーンに背を向ける。

 (2)打撃解体「去年の打撃じゃ無理。悪いクセも分かってる。全部バラしてやり直す」。昨季は故障からフォームを崩し、近年では最少の11本塁打、48打点。ゼロベースから12年型のフォームを作り直し、ブランコに負けない長打力をよみがえらせる。

 (3)高木ノック志願「武司に守らせとけば問題ない、を見せたい」。92~95年の前回監督時、期待の若手としてシゴかれた。70歳の今回も鬼ノックを予告しているが、喜んで青春時代に帰る。「ブランコより守れるとこを見せた上で打撃で勝負したい」。直々に守備OKのお墨付きをもらう。

 (4)ベテラン特権拒否「流れの中のことは全部やっていく。あれダメ、これダメと不安材料は見せたくない」。VIP扱いの配慮は無用。走攻守のすべてで、25歳も下のドラフト1位高橋周平(18=東海大相模)らと同じメニューをこなす。初心からの挑戦だ。

 「楽天に入った時とは立場も気持ちも違う。自分の力で開幕スタメンを勝ち取りたい」。ブランコには負けない。2月からガチンコ勝負に出る。【松井清員】