夢はでっかく虎Vからの世界制覇!

 阪神岩田稔投手(28)が20日、大阪府内で自主トレを開始した。前日19日に巨人杉内らとの合同自主トレ地・鹿児島から帰阪。一流エキスを吸収し、2大会連続のWBC出場という野望を掲げた。

 「もし日本が13年のWBCに参加するのなら、ぜひ出たいという気持ちがある。4年に1回しかないチャンス。前回(09年)出場させてもらった時の悔しさ、情けなさもあるので。左肩を痛めて2試合しか投げられず、何しに行ったんや、という気持ちがある」

 もちろん、12年の大目標はV奪回けん引。その先に高い壁を設けることで、さらに一段階ステップアップできると信じている。昨年12月上旬には藤川が「タイガースの若い選手も(WBCに)出てもらって、世界を広げてほしい」と呼びかけていた。まだ日本の参加は決定していないが、投手キャプテンの熱い思いに応えたい気持ちは強い。

 前回09年大会には苦い思い出しかない。1度は代表候補から落選しながら、辞退したヤンキース黒田(当時ドジャース)の代役で追加招集された。突然の事態に急ピッチで調整を進めた結果、本大会中に左肩痛を発症し、わずか2試合登板に終わった。世界制覇メンバーとなった代償に、09年シーズンは開幕から大きく出遅れた。リベンジへの思いは誰よりも強い。

 「今年こそ何が何でも(阪神で)優勝するんだという気持ちが一番。優勝に向けて(WBCという目標も)1つのモチベーションにしていきたい。代表に選ばれるだけの結果を残すことが、自分の仕事。それだけの成績を残して、優勝という目標を達成したい」

 燃えたぎる向上心に油を注ぎ、12年シーズンに向けてエンジンをふかす。【佐井陽介】

 ◆09年WBCの岩田

 1次候補34人から落選。1月に追加招集され、最終メンバー28人に選ばれた。開幕後は東京ラウンド2戦目韓国戦の7回に登板し1回1奪三振、無安打無失点も2四死球、1ボーク。第2ラウンドでは2戦目韓国戦で3点を追う8回裏2死二、三塁から登板。いきなりストレートの四球を与え、満塁から押し出し四球を献上して降板した。帰阪後の3月下旬、大阪市内の病院で「左肩肩峰下滑液胞炎」と診断され、1軍復帰が6月まで遅れた。