もしかして最も頭のいい野球選手かもしれない。西武の新外国人クリス・カーター内野手(29=メッツ)が26日、初来日。特筆すべきはその経歴。米国の名門、スタンフォード大を3年で卒業しており、父と弟と叔父が医者、もうひとりの弟は空軍のパイロットというエリート一家に育った。

 「こんにちは、はじめまして」。簡単な日本語を話しただけなのに、頭の良さを感じてしまう。質問には体の向きを正面に変え、両手をへそのあたりで組んで丁寧に答える。育ちの良さを感じさせた。ニューズウイーク誌が選ぶ世界の大学ランキングで、2006年に世界2位の評価を受けたスタンフォード大を卒業した秀才。そのオーラを惜しみなく出した。

 大学では人文理学部でステムセルという細胞について研究。「いい教授にめぐりあえて、幸運な大学生活だった」という。野球に役立っているか?

 という質問には、苦笑いしながら「ノー」と答えたが、医者家系の中で子供のころから野球選手を目指していた。「自分の持ち味は選球眼の良さと打点の稼げるところ。チームプレーに徹して進塁打の打てる打撃も見てほしい」と日本野球に合いそうな優等生発言で自分を売り込んだ。【竹内智信】

 ◆インテリ助っ人

 75年の広島初優勝に貢献したホプキンス内野手は、試合前のロッカールームで医学書を読んでいた。現役中の74年に生物学の博士号を取得。米国に帰国後は整形外科医になった。巨人からロッテに移籍したグライシンガー投手は米バージニア大で金融、財政を専攻。経済関係の本を好んで読む。昨季、日本ハムでプレーしたスケールズ内野手は名門ミシガン大出身で、オフは副業で母校ミルトン高の代用教員を務める変わり種だった。