侍ジャパンが大幅に世代交代した。日本野球機構(NPB)は26日、日本代表が台湾代表と戦う「東日本大震災復興支援ベースボールマッチ」(3月10日、東京ドーム)の代表メンバー24人を発表した。昨季、統一球をものともせず12球団最多の48本塁打を放った西武中村剛也内野手(28)など、18人が初の代表入りを果たした。3連覇がかかる来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)も見据えた、将来性重視のヤングジャパンが誕生した。

 

 3年ぶりに結成された侍ジャパンは、フレッシュな顔触れが並んだ。09年のWBCに出場したメンバーは5人だけ。実に全体の4分の3を代表未経験者が占めた。昨年の日本一監督として台湾戦の指揮を執るソフトバンク秋山監督は「一番は去年のタイトルホルダーだが、将来も見据えて選考した。この機会にジャパンのユニホームを着る経験をすることで、成長する可能性を秘めた選手を選んだ」と、実績よりも将来性を重視したことを明かした。

 西武中村の代表入りが、世代交代を象徴している。技術の高い選手を「つなぎの4番」として中軸に据える日本のスモールベースボールは、他国から高く評価され、WBC連覇でも証明された。しかし、それは世界を相手に力で対抗できる「真の4番」がいないことの裏返しでもあり、NPBが統一球を導入するきっかけにもなった。昨季、規格外のパワーでアーチを量産した中村だけに、いきなり代表の4番を任されても不思議ではない。

 日本の救世主として期待される中村は「日本代表は初めてなので、うれしいです。野球をやっている以上は(代表の)ユニホームを着たい気持ちはあります。WBCという大会もできたので、出たい気持ちはあります。日本代表として恥じないプレーをしたいと思います」と、意気込みを口にした。

 中村だけではない。1試合限定のチャリティーマッチとはいえ、これまで代表に縁のなかった選手にとっては絶好の機会となる。NPBは今年4月から日本代表を常設化する方針を固めており、今回の試合から来春のWBCのメンバー入りをかけた競争が始まる。

 秋山監督も「イキのいい選手、これから伸びていくだろうという選手が多い。躍動感ある野球を見せられると思う」と、采配が楽しみな様子。侍ジャパンに新たな看板選手が出てくることを期待した。【広瀬雷太】

 ◆日本代表の今後

 日本代表常設の動きは4月以降、本格化する見通しだ。代表チーム編成委員会の立ち上げなど、具体的なプランも出てきている。今回から「侍ジャパン・オナーピン」と呼ばれる18金製のピンバッジを代表選手に贈ることも決まった。大会ごとにデザインを変える予定で、その所有数が、選出回数を示す。NPB加藤コミッショナーは「常設的に日本代表を編成することになり、その第1号が3月10日の試合」と今回を重要な一戦と位置付け、今後も親善試合や強化試合を開催していく意向を示した。大会の収益配分を巡る問題をクリアして正式に出場が決まれば、来春のWBCが最大の目標になる。