ジョーさんに一塁は譲らナ~イ!

 阪神クレイグ・ブラゼル内野手(31)が28日、関西空港着の航空機で再来日した。沖縄キャンプでは左膝手術、右肘痛からの復活を期す城島健司捕手(35)が一塁手の練習からスタートする方向。まさかの強力ライバルが出現したが、レギュラーの座を死守する覚悟だ。実はDeNAラミレスと初の合同トレも敢行。12キロ増とパワーアップした体で統一球を打ち砕く!

 こん身の「ドヤ顔」だ。関西空港1階の外れ。ブラゼルは不敵にニヤリと笑い、右手のひらを報道陣に見せつけた。中央部分には血マメがつぶれた痕。「“ちょっとだけ”トレーニングしてきたよ」。一塁の座は死守する-。みなぎるプライドと覚悟は、言葉にするまでもなかった。

 ブラゼル

 ベンチに座ってツープラトンでやるつもりはない。勝利に貢献するために来てる訳だしね。もちろんチームとしては、勝つ可能性が一番ある選手が毎日プレーすべきだ。当然自分が違うポジションに就く可能性もあるけど、ファーストで相手がどうとかは考えずにやっていくよ。

 米国滞在の間、情勢が変わった。左膝手術、右肘痛からの復活を目指す城島が、沖縄キャンプでは一塁手の練習からスタートを切ることが決定的に。膝が完治すれば捕手復帰が見込まれるが、B砲は安泰な立場ではない。とはいえ、やすやすとポジションを受け渡すつもりは毛頭ない。

 実は驚きの合同トレも敢行していた。相手はなんと、巨人からDeNAに移籍したラミレス。ともにシーズンでは1発後に「ラミちゃんっペ」「ブラダンス」などのパフォーマンスを披露し、球宴などで親交を深めてきた大先輩だ。ラミレスがアラバマ州立大野球部のヘッドコーチと旧知の仲だった縁で、同大の施設を約1カ月間借りたと言う。

 ブラゼル

 ラミレスと話をしていたら、彼が紹介してくれてね。ちょうどアメフトが終わって、野球シーズンが始まる時期。大学生と交じって2、3時間バッティングしたりしてたよ。

 すでに本格的なフリー打撃を開始済み。個人トレーナーに指導を受け、ウエートトレに明け暮れた。古傷がある左太もも、昨季痛めた右太もも裏などの下半身を中心に筋力強化。ピラティスやヨガも取り入れ、公称95キロから12キロ増の107キロまで仕上げてきた。

 ブラゼル

 ヨガはきれいな先生で良かったよ(笑い)。しっかりトレーニングを積んで、筋力をつけてきた。去年は統一球を実際に打って飛ばなかった。もっと強く飛ばせるよう、しっかり大きくなってきたよ。

 昨季は右太もも裏肉離れで1カ月近く離脱し打率2割8分2厘、16本塁打、69打点。飛ばない統一球に苦しむ選手が多かったとはいえ、決して満足できる数字ではなかった。109キロまで増量し来日した10年は47発を記録。「手の皮がむけるぐらいやってきたよ」。任しとけ!

 そう言いたげな自信の表情だった。【佐井陽介】