豪快アーチ連発!

 阪神中谷将大捕手(19)が29日、沖縄・宜野座自主トレの屋外フリー打撃で柵越えを連発した。43スイングで合同自主トレ組最多の6発。最後は推定120メートル弾を左翼にたたき込む1発で締めた。高卒2年目で1軍キャンプに抜てきされた未来の4番が、いよいよ本領発揮。自慢のバットで激しいセンター争いを勝ち抜く!

 高く舞い上がった白球が左翼席に吸い込まれる。左翼席後方の樹木付近に着弾。未来の4番中谷が南国の空に、アーチを描きまくった。合同自主トレ組最多の6発。速い打球を次々とかっ飛ばした。中谷の屋外フリー打撃は豪快そのもの。周囲を圧倒しても、本人はちょっぴり不満げだった。

 中谷

 (合同トレ初日の27日よりは)良くなったとは思わない。いい打球も増えてきているけど、ほとんどがダメな打球。ミスショットがあったので、そこを詰めていきたい。

 右腕から4発、左腕から2発。左翼ポール際への1本を含め、すべて左翼に放り込んだ。最後の43スイング目は、推定120メートル弾をぶっ飛ばした。

 中谷

 最後は狙っていた。その前は右方向を意識してたんですけど、最後は飛ばそうと思って力を入れた。

 同組で屋外フリー打撃を行ったドラフト1位伊藤隼とは、どこまでも対照的だった。狙って6発目をたたき込んだ未来の4番と、狙わずして虎1号をマークしたドラ1ルーキー。バットへのこだわりという点においても対照的。ティー打撃でメーカーや素材の違う3本のバットを使い分けた伊藤隼に対して、中谷はマスコットバットと昨春から使い始めた林威助モデルのバットの2本を使い分け。その2本も重さにあまり変わりはなく、特別なこだわりはないよう。

 性格も正反対。天然マイペース系の中谷は、フリー打撃で「思いっきり振っているところ」とフルスイングを徹底。一方、伊藤隼は逆方向打ち徹底や引っ張りなど、大学時代からの“ハヤタ流”を実践している。

 対照的な2人が近い将来、中軸を担えば頼もしすぎる打線が完成する。未来の4番と、虎のドラ1ルーキーが“コラボ”する日が待ち遠しい。【岡本亜貴子】<中谷将大(なかたに・まさひろ)>

 ◆生まれ

 1993年(平5)1月5日、福岡・小郡市。

 ◆球歴

 のぞみが丘小3年で野球を始めて以来、主に捕手。三国中時代は二日市ライオンズ。3年夏に全国大会出場。

 ◆九州の大砲

 福岡工大城東1年夏から外野手としてベンチ入り、同秋から4番。2年秋から捕手に復帰。高校通算20本塁打。10年ドラフト3位で阪神入団。

 ◆MVP

 昨年の秋季キャンプ。打撃センスに魅力を感じた和田新監督が直々の指導。「おもしろい。いいポジションがあればチャンスが出てくる」とほれ込んだ。秋季キャンプのMVPに。

 ◆外野で勝負

 1月22日のスタッフ会議でキャンプ1軍スタートが決定。入団以来登録は捕手だが「外野中心でやってもらう」と和田監督。センター争いに名乗り出た。

 ◆サイズ

 184センチ、85キロ、右投げ右打ち。