異例の抜てきだ。ソフトバンクの育成2年目、千賀滉大投手(19)が今日23日からA組(1軍)に昇格することが決定した。最速152キロの直球で売り出し中の右腕は、すでにA組の紅白戦2試合にも呼ばれ、3イニング無失点と好調。キャンプ最終クールの昇格は25日から始まるオープン戦登板を見据えたものだ。

 16日の紅白戦で1回無安打無失点。最速149キロを計測し、秋山監督から「目立ってたのは千賀だね」と名前を挙げられた。“1次試験”をパスした千賀は21日も2回2安打無失点。得点圏に走者を置き、松田とペーニャを打ち取った。1軍主力クラスとの対戦は今回が初めてで「ファウルかなと思っても打ち返される。力みます。毎日が全力です」と必死ながら、マウンド度胸はたっぷり。高山投手コーチは「リリースポイントが安定している。怖がらず腕を振っている」と“2次試験”でも高い評価を与えていた。

 ソフトバンクでは育成枠出身の山田が昨年開幕ローテに入り、自己最多の7勝をマーク。日本シリーズでも勝ち投手になり話題を集めた。「第2の山田」になる可能性を秘めた19歳。先発だけでなく、2軍ではその球威から抑え候補に推す声もある。「まだ6対4の割合で『ちが』ですね」と名字を「ちが」と呼び間違えられる無名の存在。念願の支配下登録、1軍デビューに向けて、その右腕を振り続けるだけだ。【押谷謙爾】

 ◆千賀滉大(せんが・こうだい)1993年(平5)1月30日、愛知県生まれ。蒲郡では3年夏に愛知県大会3回戦敗退。昨年、育成ドラフト4位で入団。ウエスタン・リーグ出場歴もなし。昨秋のフェニックスリーグは中継ぎで4試合登板し、通算3回1/3を無安打無失点に抑え、存在感を示した。背番号128。185センチ、81キロ。右投げ左打ち。