危ない橋は渡らない。日本ハム栗山英樹監督(51)が、今日22日からのDeNA戦(札幌ドーム)に向けて、徹底した「敬遠策」も辞さない考えを明かした。21日、遠征先だった広島空港で取材に応じ「交流戦は試合数が少ない。一番調子がいい打者と勝負する必要はない。そこははっきりさせなければ。中途半端はダメ」と言葉に熱を込めた。

 野球を「確率のスポーツ」と話す栗山監督らしい、単純明快な作戦だった。19、20日の広島2連戦では、敵の主砲ニックに対して3四球。シーズンを通して戦う同一リーグのチームが相手ではなく、年間わずか4試合しか対戦しないセ球団が相手。先々を見据える必要がないため、現時点で調子のいい打者とは、徹底して勝負を避ける覚悟を持つということだ。

 DeNAは20日のロッテ戦でアベック本塁打を放った筒香と中村、そして4番のラミレスが中軸。6番以降は梶谷、藤田ら打率1割台の打者が並ぶ極端な布陣で、作戦はピタリとはまる。特に筒香は「ああいう若い選手はひとつ乗せると上っていく。ガムシャラに何でも打ってくると怖い」と警戒しており、敬遠の“対象打者”として細心の注意を払うことになりそうだ。

 中畑監督との「熱い」新監督対決にもなるが「(相手の)監督によって野球は変わらない。気にはならない」とキッパリと言い切った。本拠地に戻り、DH制が復活するのも攻撃面では好材料。勝利のためなら、故意四球も立派な作戦の1つ。肉を切らせて、骨を断つ。【本間翼】