<楽天1-2日本ハム>◇14日◇Kスタ宮城

 佑ちゃん対マー君だけじゃない。2人と同じ88年生まれの日本ハム吉川光夫投手(24)が、同い年の楽天塩見と今季2度目の熱い投手戦を演じた。自己最多に迫る131球の熱投で、8回を散発4安打1失点。最少失点を守って強力な救援陣へとつないだ。

 3回に四球絡みで先制の1点を失ったものの、大崩れはしない。100球を越えても、直球は140キロ台後半を計測。味方が追い付いた直後の8回2死一、三塁のピンチを招いたが、4番枡田を変化球で二ゴロに仕留め「最後は粘り強く投げられた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 4月30日、塩見との初対決では、味方が奪った1点のリードを守れず7回2失点(自責は1)で敗戦投手に。「前回、負けているので、何とか勝ちたいと思った」。リベンジを期してマウンドへ上がった。互いに勝敗は付かず痛み分けに終わったが、栗山監督は「今日は吉川に尽きる。安心して見ていられた」と、チームの勝利に貢献した左腕に最敬礼だ。

 これで前半戦の登板は終了。課題だった、長いイニングを投げるための“技”を身に付けつつある。6月14日巨人戦(札幌ドーム)以来の8勝目こそ逃したが、伸び盛りの若き左腕は、確かな手応えをつかんで前半戦を終えた。【中島宙恵】