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MVPはマエケン、主役争い制す/球宴

1回表全パ2死、中島を空振り三振に仕留める前田健(撮影・清水貴仁)
1回表全パ2死、中島を空振り三振に仕留める前田健(撮影・清水貴仁)

<オールスターゲーム:全セ4-0全パ>◇21日◇松山

 全セの先発、広島前田健太投手(24)は苦笑を浮かべた。3回1死まで全パの打者7人を完全に抑え込んでいた。完全投球が目前になるも、日本ハム田中を148キロ速球で詰まらせながら左前に打球を落とされた。

 「ノーヒットで終わろうと思っていたので、悔しかった」。その後は抑え3回1安打無失点で勝ち投手。04年第1戦の松坂以来となる、投手でのMVPに輝いた。「ビックリしていますけど、うれしいです。僕は違うと思っていた。坂本だと思っていましたよ」。

 球場を盛り上げたのは、2回先頭のソフトバンク・ペーニャとの対戦だった。「正直、怖かったです。すごい打球を飛ばしていたので」。試合前のホームラン競争で、4本の場外弾を放ち優勝した大砲との勝負。初球は101キロのカーブを投げた。「谷繁さんのサインです」。ペーニャも苦笑い。この打席で2球投げたカーブが効き、最後は内角直球で二飛に打ち取った。

 前田健のカーブは斜めではなく、縦に落ちる。PL学園時代は4番を務めるなど打撃センスも兼ね備える前田健は、中学時代に打席の中でひらめいた。斜めよりも、縦の軌道の方が打者から分かりにくい。そう思い、縦回転のカーブを習得した。今ではスライダーが代名詞となった、高校時代までは変化球はカーブのみ。晴れ舞台を盛り上げた球は、少年時代の知恵の結晶だった。

 試合後、坂本らと食事をするため一緒にタクシーに乗り込む際、ファンから大きな歓声が上がった。タレント豊富な88年世代。この夜、同い年のみならず、球界最高の輝きを放ったのはコイのエースだった。【鎌田真一郎】

 ▼前田健が10年第1戦の球宴デビュー戦勝利に次いで通算2戦2勝。球宴デビューからの連勝は74年山田(阪急=3戦3勝)77年梶間(ヤクルト)88年中山(大洋)96年斎藤隆(横浜)01年上原(巨人)に次いで6人目。先発で連勝は上原に次いで2人目だ。投手のMVPは04年第1戦の松坂(西武)以来で、広島の投手では80年第3戦の江夏以来32年ぶり2人目。

 ▼広島投手の勝利は66年第3戦大羽、68年第1戦外木場と第2戦安仁屋、78年第1戦松原明、79年第1戦江夏、89年第2戦長冨、95年第2戦山内、00年第1戦高橋建、05年第2戦黒田、06年第2戦永川、10年第1戦前田健に次いで12勝目。1人で2勝は前田健が球団初。また、広島の投手は89年長冨から7連勝となり、66~84年に7連勝した西武(西鉄、太平洋を含む)に並ぶ同一球団最多連勝となった。

 [2012年7月22日7時12分 紙面から]







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