<広島6-3阪神>◇4日◇マツダスタジアム

 阪神新井良太内野手(28)は豪快弾で反撃ののろしを上げた。4回終了時点で6点ビハインド。広島福井に1安打無失点に抑え込まれ、早くも完敗ムードが漂う5回表。負の雰囲気に正面から立ち向かった。

 先頭で打席に立ち、初球の真ん中低めスライダーを完璧に狙い澄ます。読み通りのフルスイングを決めれば、打球は左翼最上段後方の通路にズドン。5試合ぶりの6号ソロだ。

 新井良

 しっかり1打席も無駄にせんようにと思って、いつも通りにやっている。あれは配球を見てスライダーを待っていた。(しっかり間の取れた)そういう打席を数多くできるように、食らいついてやっていきたい。

 3点差に迫った6回2死二塁にはフルカウントから右前打。2番手中田の外角低めスライダーに逆らわず、ライナーではじき返した。二塁走者の兄貴浩が間一髪で本塁憤死し、得点には結びつかなかった。結局、試合はそのまま完敗。それでも8試合連続安打&2試合連続マルチ安打の輝きは色あせない。

 6号-。数字上では兄貴浩の5号を上回ったが、弟は大好きな兄について常々尊敬の言葉を残してきた。「兄貴と俺はまったく違う立場。兄貴は主軸でチームを背負っている。想像できないプレッシャーと戦っている。自分なんかは失うモノがなんもないんだから…」。これからも当然、まだまだ遠い兄の背中を追い続ける。【佐井陽介】