<日本ハム4-5ソフトバンク>◇7日◇帯広

 過去の悪夢を再現したかのようだった。日本ハム武田勝投手(34)が、年に1度の地方開催となる帯広でのソフトバンク戦で6回0/3を9安打4失点。ペーニャに2打席連続本塁打を許すなど、味方が奪った3点のリードを守れなかった。チームも3人目の宮西が7回につかまり、逆転負けで4試合ぶりの黒星。なかなか、混パから抜け出せない。

 女房役の不吉な“予感”が、最悪な形で的中してしまった。日本ハムの試合前練習。鶴岡が、無邪気に吉井投手コーチに説明した。「昔、勝さん(武田)は帯広で4発打たれてるんですよ。しかも、ローズ(オリックス)に大きいの2本です。ちなみに、その時のキャッチャーは鶴岡です」。ちょっとした冗談のつもりで口にした言葉。まさか、過去の悪夢を再現する結果になるとは、この時、誰も思ってはいなかった。

 武田勝の立ち上がりは、まずまずだった。走者を背負いながらも、真骨頂の制球で低めをていねいに突く。2-0の5回、ペーニャに直球をバックスクリーンへ運ばれたが、6回までに失ったのはこの1点だけ。雲行きが変わったのは7回。先頭の長谷川に右前打を許し、打席には再びペーニャ。1ボール2ストライクと追い込んでからの4球目を、左翼席上段まで飛ばされた。「1本目はうまく打たれたけど、2本目は失投。流れが完全に向こうに行ってしまった。四球でもいいというぐらいの気持ちで投げていたら。僕の判断ミスです」。続く打者にも安打を許し、この回1死も取れずマウンドを去った。

 忘れもしない08年7月6日オリックス戦。この時と同じ帯広で、4被弾4失点で5回KOという苦い思い出があった。「地方球場では、特に外国人選手の1発を警戒しないといけない。気を引き締めていけなかったのがダメ」。責任をすべて背負うかのように、自分自身へのダメ出しを繰り返した。【中島宙恵】

 ▼日本ハム武田勝は、過去帯広で2試合に登板し1勝1敗。08年7月6日のオリックス戦では一輝とローズに2本塁打ずつ浴び、5回4失点で敗戦投手になっている。西武と対戦した10年7月31日は、6回1失点でプロ通算40勝目をマークした。西武戦では08年8月11日から6連敗しており、858日ぶりの白星だった。