中日の2年目左腕、大野雄大投手(23)が、先発する今日14日の巨人戦(ナゴヤドーム)で、弔い星をつかみにいく。11日に稲葉光雄2軍投手コーチが急逝。左肩の故障を抱えて入団した大野は昨年、同コーチの熱心な指導でプロとしての土台を築いた経緯がある。

 稲葉さんが倒れたナゴヤ球場内で報道陣に囲まれた大野は13日、恩返しを誓った。短い期間だったが思い出は尽きない。ドラフト1位で入団した昨季。故障歴のある左肩の不安を拭い去るため、同コーチから6月中旬まで投球制限を設けられた。

 「去年も3月にはビュンビュン投げられたんですけど、稲葉さんから『我慢しろ!

 万全になってからでないと、またけがをする』と言われたんです。大事にしてもらったから今があると思います」。

 今季の大野は、その指導が正しかったことを証明している。巨人沢村、広島前田健という球界を代表する同級生と投げ合い3連勝中。同級生キラーとして結果を出している。稲葉さんが倒れる直前、最後にもらった言葉は「このまま突っ走れ!」だった。師の教えを胸に、再び巨人沢村と投げ合う。

 首位巨人とは5・5ゲーム差。リーグ3連覇を狙うチームにとっても大事な3連戦だ。連敗するようだと15日に自力優勝の可能性が消え、巨人にマジック36がともる。「負けられない。ボクが絶対に勝ちます」。悲壮な思いを胸に、大野が大事な初戦のマウンドに上がる。【八反誠】