2軍で調整していた阪神クレイグ・ブラゼル内野手(32)が、今日14日、1軍に復帰する。新神戸から長野に移動。トレードマークの笑顔を封印。ピリピリムードを漂わせ「やるべきことはやってきたので、あとは上でやるだけ」と短い言葉に決意を込めた。

 今季はここまで、思うような成績を残せていない。控えだった新井良が台頭し、出場機会が激減。実戦感覚を取り戻そうと、1軍の試合前練習の前に2軍の練習に参加してシート打撃を行うなどしたが、結果は出なかった。出場83試合で打率2割3分9厘、8本塁打、33打点。3日に、志願して2軍降格となっていた。

 降格後は炎天下の鳴尾浜で、若手に交じって汗を流した。ウエスタン・リーグでは格の違いを見せつけた。8日中日戦(鳴尾浜)で辻から豪快な1発を放ち、6試合で打率4割2分9厘をマーク。守備では左翼を守り、必死に白球を追った。抹消時には「ずれている」と話していた打撃感覚も、戻ってきた。

 和田監督は、代打での起用かと聞かれ「それは断言しないほうがいい」と話した。今日14日からのDeNA3連戦中にも、スタメン出場の可能性がある。チームに貢献できない状況が続けば、来季構想外の危機。崖っぷちの助っ人が、悲壮な覚悟で生き残りをかける。