<巨人5-0広島>◇17日◇東京ドーム

 巨人内海哲也投手(30)が仁王立ちした。わずか、112球で広島打線を切り捨て、今季2度目の完封勝利。16個の内野ゴロを量産して、スコアボードに0を並べ続けた。「4回までは上下のバランスが良くなかったけど、回を追うごとにしっくりした。気持ちいいですね」。広島前田健に並び、ハーラートップタイの11勝目をかみしめた。

 エースの自覚がにじみ出ていた。チームは2位中日に連敗。マジック点灯のチャンスを逃し、本拠地に戻ってきた。開幕当初、心に誓ったのは「杉内さんはチームが勝ちたいときに勝てる。僕もそういう投手になりたい」。開幕3戦目でチーム初勝利をもたらした同僚杉内の姿を見ながら、自身の目標に重ねた。負の連鎖を断ち切ることが責務だったマウンドで文句なしの投球を見せた。

 ここ6試合のうち5試合は、回の途中で降板を告げられた。9回、先頭梵に安打されたが慌てない。4番エルドレッド、5番堂林を内野ゴロに仕留め2死。最後は、迎を三直に打ち取り締めくくった。「任せられたイニングを最後まで、しっかり抑えてベンチに帰ることができた」と、ベンチとマウンド間を悠然と9往復した。

 エースがエースらしい投球で自身4連勝。チームの連敗も止めた。原監督は「ボールが高めにいかず、彼らしい投球をした。今日は力みがなかった。力を振り絞るという感じではなく、あと5、6イニングいけたんじゃないですか」と、納得の表情でねぎらった。内海本人も「チームが苦しいときに、しっかりとした投球が今日はできた」と、うなずいた。生え抜きの先輩、高橋由の300号メモリアル弾に花を添える快投。「僕なんかよりも由伸さんですよ」と、なんともうれしそうな顔が頼もしくもあった。【為田聡史】

 ▼巨人が103試合目で60勝に到達。2リーグ制後、巨人が103試合までに60勝を挙げたのは09年(103試合目)以来3年ぶり25度目。過去24度のうち22度優勝しており、V確率92%。巨人の最短マジック点灯は19日。巨人が18、19日広島戦に○○か○△、中日が18、19日DeNA戦に●●の場合、巨人にM33が出る。