<巨人2-4中日>◇29日◇盛岡

 どうしたジャイアンツ。順調に優勝マジックを減らしてきた巨人にブレーキがかかった。1回無死一、三塁と絶好の先制機をつかむも、坂本勇人内野手(23)がセーフティースクイズを失敗するなどして無得点。3回には、村田修一内野手(31)の悪送球から走者を許し、中日ブランコに手痛い1発を浴びた。2日続けてマジック減らしに失敗し、中日にはこれで4連敗。竜とはクライマックスシリーズ(CS)で対戦する可能性は高く、気になる「ほころび」が見えてしまった。

 追いすがり、突き放された敗戦に、原辰徳監督(54)は「ギリギリの勝負で主導権を握れていない。もう少し打たないとね。点を取らないと」と話した。中日戦は、ここ10試合に限れば2勝7敗1分けと相性が悪い。通算でも8勝9敗3分けと負け越しを許してしまった。マジック26は変わらない。それでも、吉見、ソトを攻略できずに敗れたのは、今後への大きな課題だ。

 攻撃の歯車がかみ合わない。1回だ。長野二塁打、松本哲のバントヒットで無死一、三塁の先制機。坂本はセーフティースクイズを試みたが一邪飛。後続も倒れ、まさかの無得点に終わった。

 ここに来て、セーフティースクイズの失敗が目立つ。前カードDeNA戦では24日に加藤、25日ホールトン、26日宮国と1日1個のペースで失敗した。26日は2回に松本哲がスクイズを決めたものの、失敗率は高いと言える。1点にこだわった攻撃で、得点を重ねてきた。得点へのアプローチがぶれているわけではない。原監督は「特に失敗しているとは思っていないんだけど」と言うが、結果として成功率が低下している。

 天敵への対応も心配が残る。ソトとは今季、先発で2試合、中継ぎで1試合の3試合戦って、前回までのチーム打率は48打数6安打の1割2分5厘。この日も6回にようやく降板させたが、結局1点に抑えられた。前日敗れた吉見には4連敗中。前日、そしてこの日と2日連続で序盤に先制を許してもいる。ただ、原監督は「全体的にはいい攻撃をしていると思います。ここって時に、どう個人技が出るか」と、対策そのものに不満はないと話す。

 村田の消沈も不安だ。1回は2死満塁で凡退。対ソーサは9打数無安打だ。守備でも3回、三邪飛ファインプレーの直後に悪送球を犯した。直後のブランコは本塁打。試合の流れを手放すのに、十分な失策だった。ほころびが散見する中、阿部は「明日止めて、3連敗しないように。苦手意識を作らないように」と、表情を引き締めた。中日はやはり宿敵。簡単には勝たせてくれない。【金子航】