<中日1-2広島>◇5日◇ナゴヤドーム

 CSも任せろ!

 広島大竹寛投手(29)が、チームのナゴヤドーム連敗を10で止めた。7回1/3で7安打無失点で自己最多の11勝目を挙げた。最後は右手人さし指のマメがつぶれ降板したが、今季中日戦は3戦3勝で対戦防御率は0・00。初のCS進出となれば、第1ステージの舞台はナゴヤドームが有力。竜キラーへの期待は高まるばかりだ。

 鬼門を突破した。そして、大竹は自分を超えた。チームは10連敗中のナゴヤドームでも、「逆に燃える」と意に介さなかった。走者を出しながらも勝負どころで安打を許さない。最大のピンチ、2-0の6回2死満塁の場面も、小田を148キロの直球で空振り三振に仕留めた。3年ぶりの完封が見えていたが、右手人さし指の血マメがつぶれ7回1/3を7安打無失点でマウンドを譲った。

 「(11勝は)通過点です。これからが大事なので、しっかり投げていきたいです」

 中日戦は3戦3勝となり、自己最多の11勝目を手に入れたが冷静だった。初のCS進出を争っており、「僕は10勝させてもらったので、とにかくチームが勝てばいい」と、個人タイトルよりも心からチームの勝利を願っている。

 09年に右肩を痛め、2年間のリハビリ期間で気付かされたことがある。体に良いとされるものは、何でも取り入れた。ピラティスに、リンパマッサージ、合気道も習った。酵素風呂と呼ばれる、ヒノキのおがくずと、薬草、野草酵素がブレンドされたヌカの中に体を埋めたこともある。

 それでも患部の状態が上向かないときに、復帰を願うファンレターが届き、街を歩いていても「早く戻って来いよ」と声援を送られた。

 「意外と自分って、応援されているんだなって。絶対にもう1回投げるまではやめないと思えました」

 1軍で登板するどころか、自身の想像を超える大車輪の働きだ。開幕直後は変化球主体のかわす投球で新境地を見いだしたが、夏場以降は150キロに迫る直球を連発。復活した剛球に、投球術が加わり進化した姿を見せている。

 今の最大の目標は初のCS進出。達成すればナゴヤドームが舞台となることが有力だ。竜キラーの最高の恩返しは、この先に待っている。【鎌田真一郎】