右肘を痛めた中日のエース吉見一起投手(28)が18日、今季絶望の可能性が高くなった。17日の巨人22回戦(ナゴヤドーム)の4回、投球直後に異常を訴えて緊急降板。一夜明けたこの日、名古屋市内の病院で精密検査を受け、右腕の肘頭骨棘(こっきょく)骨折と診断された。復帰まで最短で4週間が必要だという。残る戦いはエース不在となりそうだ。

 エース吉見のケガは予想以上の重症だった。このまま今季は登板せず、戦いを終える可能性が高くなった。前日17日巨人戦の4回、自らバツ印をつくって緊急降板。「違和感です」と話していたが、症状は深刻。骨折だったことが判明した。

 一夜明けたこの日、吉見は名古屋市内の病院に精密検査に向かった。1度ナゴヤドームに戻り、試合中に検査結果を聞きにいった。再び球場に戻り、敗戦後に首脳陣に報告。藤田チーフトレーナーは「右肘の骨がとげのようになって、神経を圧迫して、炎症を起こしている」と説明した。肘には腫れが出ており、投球も禁止された。復帰まで最短で4週間が必要となる。高木監督は「CSは間に合わんでしょう。1~2週間で治るあれ(故障)じゃないみたい」と明かした。

 治療を終えた吉見は「投げられないし、とりあえず1週間は休みます」。投手陣の柱の自覚もあり、勝負どころでチームに迷惑をかけたケガに申し訳なさそうにした。レギュラーシーズン中の復帰は不可能で、CS、日本シリーズに進出した場合も、登板は難しいとみられる。

 権藤投手コーチも「1週間は動けんということ。ボールをいつ握るか」と歯切れが悪く、長期離脱の可能性を匂わせた。ここまでリーグトップの13勝を挙げており、最多勝も視界に入っていたが、こちらも絶望的だ。何より、ここから日本一を目指す戦いで絶対的なエースを欠くことは痛い。この日は検査結果が出るのに時間がかかったため、今日19日に出場選手登録を抹消される。

 ◆骨棘(こっきょく)

 関節部分などに生じる棘(とげ)状の突起。老化や負荷のかけ過ぎが原因とされる。投手の場合、負担のかかる肘に生じる場合が多い。周辺の神経や骨を圧迫して痛みが生じる。