中日高木守道監督(71)が、とうとう本物の舞台に上がった。沖縄北谷キャンプを張る球場前の広場で、北谷町のB級グルメNO・1を競う「C-1ちゃたんグルメバトル」が11日、開催された。好奇心旺盛な監督がこの日だけで1万8000人が押し寄せた大イベントを見逃すはずがない。「B級なのに焼きそばはないのか」。つぶやきながら飛び入りでイベントステージに上がると、守道節が全開だ。

 「今年は巨人に負けて悔しい思いをしました。来年こそリベンジして優勝したいです」。まずはCS敗退後、初の打倒巨人&来季V宣言。さらに「来年は那覇で阪神と公式戦を戦います。春の北谷キャンプと合わせてぜひ足を運んで下さい」と売り込んだ。観衆の多くはプロ野球の監督と認識しているかすら怪しい地元の方々。だが守道節が会場を盛り上げた。

 本領発揮はここからだ。「これで帰るのは心苦しいんで、クイズに正解した方に私のサインボールを10個プレゼントします!」。何と、アドリブで中日ナインの背番号当てクイズ大会が始まった。

 「2番は?」。長い沈黙に「ドラゴンズは人気ないんかな」。ションボリ姿に場内は大爆笑。「13は?

 えっ1人?

 もっとたくさん手を挙げてほしいなあ」「では19。中日のエースと言ったら?」。「じゃ41。この人知らんかったら怒りますよ。いない?

 帰ろかな」「最後は34。年寄りですよ、年寄り」。老若男女、中日を知らない人まで守道ワールドに引き込んだ。

 約8分のワンマンショー後は「今日は疲れた」と一言。満足のスマイルを浮かべて会場を去った。直前の練習では高橋周らに400球もの打撃投手を務めたが、一変した振る舞いは芸能人のごとし!?

 これぞ究極の守道ONステージだった。【松井清員】

 ◆C-1ちゃたんグルメバトル

 北谷町内の飲食店が自慢の一品を持ち寄り、来場者の投票で街メシNO・1を決める。Cは北谷(ちゃたん)の頭文字。同町観光協会が主催し今年が3回目。30店舗が「琉球アグーギョーザ」や「シャーク(サメ)バーガー」「美ら浜ジャージャー麺」など、未発売の新メニューで競った。沖縄産の具材を入れることが条件。参加者は3食1000円のチケットを購入し、割り箸で投票。今回は10、11日の2日間開催されのべ3万人が来場。